Rubbish Collection in Hiratsuka

湘南平塚でゴミ拾いをしている人のブログ

缶コーヒー行商3回目。10本売りました。

日付をまたいでしまいましたが、昨日は雨天のためゴミ拾いは中止です。平塚では朝も昼も割と強く雨が降っていたので雨天決行とは相成りませんでした。

今日は仕事終わりに缶コーヒーの行商を決行しましたよ。会社でラフな格好に着替えてコーヒーを売りにやってきたのは横浜はみなとみらい桜木町。時刻は午後9時を少し回ったところ。 仕事帰りのサラリーマンやOLがぞろぞろと駅に集まってくる時間帯です。またこれ見よがしにリア充を見せつけるカップルもいちゃつきながら闊歩しています。

多少雨がパラつく中販売を開始! といっても"缶コーヒー50円"とかかれたダンボールの切れ端を胸の位置に掲げて突っ立ってるだけです。声かけはやめるようにしました。私はただでさえかなり怪しく目立っているのに、その怪しい人間に声をかけられ、それに反応してしまうとその通行人が周囲に奇異な目でさらされる可能性があり、通行人もそれを気にして私の声かけを無視しているのに気づいたからです。

路上販売で物を買う人はかなり勇気のある人です。路上販売で購入する人はなるべく人には購入している姿を見て欲しくないと思っています。だから今日缶コーヒーを購入してくれた人も僕に気づかれないように僕周りを何周かして、僕の周囲に人が少なくなったのを確認して購入していました。なのでそうした行動心理は売る際には最大限配慮しなければならないもので、なるべく購入希望者の自由意志を尊重しなければなりません。

通行人がこちらをジロジロ見ている場合は、"缶コーヒーはいかがですか?"などの売りこみはせずに、単純に"お疲れ様です"とか"ご苦労様です"と言って挨拶するだけに留めます。

さて桜木町の駅前ではカップルに2本売れましたよ。ちょうどデート?の食事から帰ってきたところだったようでした。カップルの男性は女性に買ってみようと提案して遠目で僕の様子を観察してました。なかなか買いづらかったようで僕の周りをウロウロしてました。買いたそうな雰囲気は遠くからでもよく伝わります。が、ここで売り込んでしまうと逃げられてしまうと思い、気づかないふりをして立っていました。案の定近寄ってきて購入してくれました。

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やはり買いやすい場所というのはあるようです。商売では恥を捨てて目立つのはいいですが、お客さんに恥をかかせてはダメです。商売するには十分目立つけれども、自然に販売しているように、場所は考えて確保しなければならないし、怪しく見えないようにある程度、体裁は整えなければならないと感じました。

桜木町の駅前のど真ん中のスペースを陣取り物を売っていたのでは無視されるのは当然ですね。お客さんのことを考えてませんでした。

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さて野毛の中通りで駄目押しの行商です。もうすでに午後10時を回っていましたが決行です。人通りは土曜日の夜だからでしょうか、期待した以上に人の往来があります。

ここでの狙いは酔っ払いたちです。彼らは知らない人に声を積極的にかけるほど陽気で普段の理性を失っています。そのためふざけて買ってくれる可能性を期待したわけです。

実はここで8本売れて持ってきた10本の缶コーヒーが全部完売しました。結局缶コーヒーを購入してくれたのは野毛に店を構えるキャバクラやガールズバーの黒服たちでした。彼らは私にこう言って近づいてきました。 "にいちゃん? 旅してるんだろ?全部買ってやるよ!" 私のラフな服装を見るや全国津々浦々を行商で資金を補填しながら旅をしているというふうに見られたのです!

私は本当のことは言わずにそうですと言い適当に話を合わせました。私がこの行商の本当の目的を言ってしまうと彼らの善意を無にしてしまうと思ったからです。

ここで気づいたことは、人は売る人間に、そこで売る理由を無意識に求めているということです。怪しいと感じるのは信用がないのもそうですが、売っている理由がはっきりしないからです。

キャバクラの黒服達は、全国津々浦々を旅している貧乏な独身男性が旅費の補填に四苦八苦してなんとか缶コーヒーで少しばかりの収入を得ようと頑張っているように見えたわけです。

その売る理由を彼らは僕の外見から判断しました。お客さんが感じる売り手のストーリーや背景は視覚で作り出されて、様々な感情が錯綜し購入の決断を下します。黒服達は単純に喉を潤したいという気持ちからではなく、僕への同情から購入を決断しました。

だから商売において売るための演出を行うというのは非常に理にかなっているんです。お客さんに売り手の伝えたいメッセージや売りたい理由、ストーリーを視覚的に伝えていくというのは物を売る上では非常に重要なファクターであると感じました。

商売上の演出は、購入者に伝わっている売り手の情報と売り手側の思惑に乖離があるため、恣意的な印象操作に捉えられて、やり方によっては商売人のモラルが疑問視されると思います。

今回の、結果的に購入者の同情を引くことになった売り方はあまり褒められたものではありませんが、商売上ではお客さんを騙さない程度に演出を加えていくことがうまく物を売る秘訣なのかもしれません。

二人のユダヤ人の乞食がフランスで金を儲けるという話をご存知でしょうか?

中世のある時に、二人のユダヤ人の乞食が、 キリスト教王国フランスにやってきました。 二人は生き延びる為にお金を儲ける 必要がありある事を考えました。 一人はユダヤ教の象徴であるダビデの星を 置いて、道ばたで施しを乞いました。 もう一人は、キリスト教の 象徴である十字架を布の上に置き、 道行く人に恵みを請いました。 当時のフランスはキリスト教徒が 圧倒的に多い訳ですから、 当然、十字架を置いた方に多くの 硬貨が投げられました。 そして二人のユダヤ人はある行動に移します。 十字架の方のユダヤ人はお金が ある程度貯まると、 物陰でその硬貨をもう一人のダビデの星を 置いているユダヤ人に渡しました。 そしてダビデの星の方に多くの コインが山積みにされ、 十字架の方にはまったくない と言う状況をわざと作ったのです

引用:コミュニケーションスキル上達の道~人間関係マステリー

頭を使って金を稼ぐというのは買い手側にストーリーを見せるということです。このユダヤ人達の場合も相手の同情を利用して物を売っていますが、買い手側の感情を動かすのは紛れもなく物や売り手から感じるストーリーなのです。ですから今売ろうとしているものがお客さんのどういう感情に結びつけば購入に結びつくのかということを考えてストーリーを立てて、自然にお客さんがそのストーリーを感じ取るような演出をすれば物は売れていくのではないでしょうか?

偉そうに書いていますが。行商で気づいたことの備忘録です。

 

 

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